支援者が検証本「弾圧の記録残したい」
自衛隊イラク復興支援の本体がサマワに到着した昨年2月27日、東京都立川市の「立川自衛隊監視テント村」のメンバー3人が、市内の防衛庁官舎で派遣反対のビラを配ったとして住居侵入容疑で逮捕される事件があった。裁判で無罪(検察側控訴)となったが、この間、3人の救援活動に加わった支援者の1人が1周年を前に、事件を検証する本を出版した。
 
 「街から反戦の声が消えるときー立川反戦ビラ入れ事件」。著者は、東京都国立市でミニコミ誌「並木道」の編集・発行を通じてマンション建設問題などの市民運動にかかわってきたフリーライターの宗像充さん(29)だ。
 たまたま3人のうちの1人と知り合いだったことなどからその日の朝、宗像さんにもテント村の家宅捜索と3人逮捕の連絡があった。弁護士らとの打ち合わせ、駅頭での訴えかけ、街宣車の運転、3人への差し入れ・・・。5月から始まった裁判の傍聴も救援活動に加わった。そのころから宗像さんは今回の事件を記録に残しておかねばならないと思うようになったという。顔見知りの「樹心社」社長の亀岡邦生さん(61)が出版を引き受けてくれた。
 家宅捜索から逮捕、取り調べの様子や75日間にわたった拘置所生活、保釈された時の感想など。初公判後に保釈された3人のインタビューが、節目節目で生々しい証言として挿入されている。
 昨年末の「無罪判決」の内容とその時の様子は、校正作業の中で「あとがき」として書き足し、年明けの1月4日に最終的に校正を終えた。
 政府は昨年末、イラク派遣の1年延長を決めた。今月上旬には4回目の交代部隊が現地入りした。
 宗像さんは、あとがきで「弾圧へのひとまずの勝利を手に入れたが、イラク派兵下の状況は、さらに『戦時』という言葉を彷彿とさせる・・・・チラシ配りという表現手段を失わないためにも、ぼくらは反戦の声をあげ続ける」と締めくくっている。
                   (「東京新聞 2005年2月23日発行」より)