ひとりぼっちで淋しい夜も     
  大ちゃんの言葉でほんわかになれる
(『ダ・ヴィンチ1999年6月号』スタジオインタビュー・常磐貴子より)

NHKテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、TBSテレビetc、たくさんのメディアで大ちゃんと本のことが放映されました! 新聞や雑誌等にも、たくさん取り上げられています!

原田大助/山元加津子著

さびしいときは心のかぜです
定価2243円〈本体2136円+税〉

養護学校へ通う大助君のつぶやきが、山元先生の心を大きくゆさぶり、そのつぶやきをもとにして始まった創作活動が1冊の詩画集に! その豊かな底深い表現力!


<愛読者カードより>
大ちゃんの詩は心の洗濯機です。心をきれいに洗ってくれますね。すべての詩が人間本来の気持ちをおもいおこさせてくれます。どんな事があっても大ちゃんの詩を読ませていただくとげんきになれます。      
       (千葉・小林紀美江さん)

心から泉のようにあふれてくる言葉は美しく、人の心を打つものなのだと深く感じました。大ちゃんの言葉が心のケガしたところにしみ込んできて元気になりました。
       (鹿児島・水口 崇さん)
 
一読して心が温かくなり、たくさんの人に読んでもらいたいと感じました。
日頃、忘れてしまっている生まれたままの心を、気づかされたように思い、さびしいとき、心の余裕のなくなりかけたときなど手にしたいと、そばに置いてあります。この本に巡り会えたこと、とても感謝しています。
(埼玉県 佐藤さん)
直接的な言葉じゃなく、漠然とした言葉の中に、明らかに核がある詩、それが「大ちゃん」の言葉だと思いました。何かを訴えている、というか、伝えているのだと思います。自分の心を正直にです。とてもきれいな心です。私は疲れたときや自分を見失いそうなとき、この本を支えにして頑張れそうです。
(宮城県 渡辺さん)
大ちゃんというたった一人の存在が、詩に触れた人の心をすっぽり包んで、抱きしめてくれる、でも決して「偉大な」という形容が似合わない、母の愛のように、ほんのり温かな、そして「いつもそばにいるよ」と安心感を与えてくれる、そんな本だと思います。
すてきな本をありがとうございました。
(高知県 明神さん)
大助君が、人との触れ合いの中で、自分の中だけにあった素晴らしい世界を外に広げることが出来たように、一見して「理解できない」と思ってしまう人たちの心をよく見つめれば、そこにまた新しい道が開けることを学びました。
この本に感謝いたします。
(宮城県 米田さん)

         遠い道でもな 大丈夫や
         一歩ずつや
         とちゅうに
         花もさいているし
         とりもなくし
         わらびかて とれるやろ

(本文より)

          あのな 今日
          話したいことがあるんや
          それってな。うれしい気分になるんやで

             (本文より)

             もうおこるなや
             一番好きやから
             大丈夫やから

(本文より)

             気持ちがいいなあ
             この青い空
             空気がいいんや
             空気の色がな
             すこーし光っとるで

(本文より)

             

             もっと手ぎゅっと
             にぎったり!
             悲しくなくなるかも
             しれへんから

(本文より)

             さよならなんて
             言うなや
             ぜったいに。
             またね またねって
             言うてみ

(本文より)


<愛読者カードより>
愛、感動、ありがとう、
ほんまありがとう、
俺もずーっと同じ気持ちで生きてます。
生まれてくれてありがとう。
生きてくれてありがとう。
お互いに愛! 生きまくろ!
(大阪府 川北さん)
思わずクスッとほほがゆるんでしまったり、ウーンなるほどとうなってしまったり……
ひとつひとつに味わいがあってやさしくて……
心がとても温かくなりました。
“素敵な本をありがとう”
心からそう言いたいです。
(東京都 伊藤さん)
子どもの心のつぶやきに耳を傾けるということの大切さを教わり、また、自分の生き方について勇気を与えられました。
(宮城県 勝然さん)
ほっと一息つけるような、寝る前のハーブティーのような安らぎを与えてくれる本でした。よかったです。飾った言葉でなく、素直な自分尾言葉が一番なんですね。
(大阪府 町田さん)
素敵な本をありがとう!
こんなに素直なきれいな心でいられる大ちゃんが大好きになりました。
(東京都 太田さん)
とても心が清らかな気持ちになり、もっと自分の思いに素直に生きていきたいと思えるようになりました。
(広島県 河野さん)
とても感動しました。
自分の気持ちをとても素直に表現できる大助くん、うらやましい限り。
それを受けとめて下さるまわりの方々も素晴らしいですね。
(静岡県 森川さん)
大ちゃん、本当にありがとう。
心がかぜをひきかけていたので、
とってもいい薬になりました。
ほんとうにありがとう。
(長野県 茨木さん)


メディア等に紹介していただいたものの中から、
いくつかご紹介させていただきます。
紹介してくださった方々、ありがとうございました。


○高田 宏・信濃毎日新聞より(1996年2月29日)

つい最近、ぼくはもう一つ、早春のよろこびを伝える詩歌を知った。原田大助という少年の詩である。中学三年生のときに書いたものだ。
 
  遠い道でもな
  大丈夫や
  一歩ずつや
  とちゅうに
  花もさいているし
  とりもなくし
  わらびかて
  とれるやろ

 大助君は石川県立錦城養護学校の生徒である。中学部に進んで山元加津子先生という先生に出会い、先生との会話のようにして詩を書きはじめた。その詩がいま一冊の本になっている(原田大助「さびしいときは心のかぜです」・樹心社刊行)。
 「遠い道でもな」の詩は、春の遠足のときにでも作られたのであろう。大丈夫や、一歩ずつや、とみずからをはげまし、行く道の途中のよろこびを描いている。鳥がなく、花が咲いている、おいしそうなわらびの若芽も出ている。
 この詩をゆっくりと口ずさんでみる。春の山辺の道を行くよろこびが、おのずと湧いてくる。志貴皇子の歌と共に、ぼくにはもう忘れられない詩になった。
 と同時に、大助君のこの詩に、ぼくは深く教えられている。ぼくは、あとどのくらいこの世に生きることを許されるか分からないけれども、この詩のように生きてゆきたいと思う。どこまでかは分からない道だが、「大丈夫や」「一歩ずつや」と、残りの生を歩みたいと思う。あせらず、あわてずに、その一歩ずつで出会う風景の一つ一つによろこびを与えられながら行きたい、と思う。
 大助君の詩からもう一編を。  
 
  さびしいときは
  心のかぜです。
  せきして、はなかんで
  やさしくして ねてたら
  1日でなおる
 
 はじめの2行が、詩集―手書きの詩と絵とで作られている―の題になっているのだが、この詩もまた、生きるものの深い知恵を語ってくれている。人生の終わり近く、このごろでは年々歳々、古くからの友を見送っている。 淋しい。これからもっと淋しくなることだろう。自分が先に逝かないかぎり、その淋しさは避けがたい。けれども、 そんな淋しさにとらえられたとき、ぼくは、大助君のすすめにしたがおうと思う。大助君の詩のユーモアにならって、心のかぜを治そうと思う。 
 


 


ひとりぼっちで淋しい夜も
大ちゃんの言葉でほんわかになれる

『さびしいときは心のかぜです』山元加津子/原田大助著
(『ダ・ヴィンチ1999年6月号』スタジオインタビュー・常磐貴子より)
「すごくほんわかできる本なんです。これを読めばみんな優しい気持ちになれる。ピンクのハートになれると思う。この本との出会いは忘れちゃったんだけど、気付いたら、私の一番大切な1冊になっていたんです」
 養護学校中学部に通っていた大ちゃんこと原田大助君のつぶやきを、山もっちゃんこと山元先生が手伝いながらまとめた1冊。可愛い挿し絵も大ちゃんが描いたもので、表題は、大ちゃんの言葉のワンフレーズだ。

 さびしいときは 心のかぜです
 せきして はなかんで やさしくして
 ねてたら 一日でなおる

「昔好きだった絵本を読み返すと、あたたかさがストレートに伝わってくるじゃないですか。大ちゃんのひと言もそうなの。すっごく淋しくなっちゃった夜でも、『よし、あったかくして早く寝ちゃお!』って思える。山もっちゃんに向けた言葉が、自分に向けられているような気がするんですよ。『笑ってごらん』と言われると、とりあえず笑ってみようって。そんなふうに言ってくれる人がいるだけで、安心する」
 大ちゃんの言葉は素朴だけど、力強い。雪の白さ、空の青さ、戦争の悲しさ・・・・忘れていたことを思い出させてくれる。けれど、心ない人は思うかもしれない。「養護学校の子供が書いたものだからピュアに違いない」と。
「私は、そんな意識全然なかった。私は大ちゃんの心が好きなの。スピリットが大好きなの。だから同じように養護学校の子が書いたものでも大嫌いになる本はあると思う」
 多感な頃に関西で育った。常盤さんはその環境が大きいという。
 「学校で障害のある人と接する機会がすごく多かったんですよ。クラスメイトの一員として遊んでた。だから、障害も個性の一つだって思えるんですよね。大ちゃんは本の中で『生まれるってことにはみんな理由があるんや』って言ってるんだけど、私も絶対そうだと思うの。みんなある種天才な部分を持っている。それは私も養護学校の人も同じ。日本の教育って型にハメがちでしょ? 人と違う絵を描いたら、『この子は精神的にヤバイ』って言われちゃう。『いいやん、その時の気分で』って私は思う」
 
大ちゃんのつぶやき
(山元加津子/中日新聞・1995年10月22日)

「時折、乱暴に怒ることがあり、仕事は嫌いで怠け者の観がある。いつもぶつぶつ呟いているが、何を言っているのか分からない」。そんなうわさで、小学部から錦城養護学校の中学部に入学してきた大ちゃんと、私は最初、どんなふうに一緒にいたらいいのか少しも分かりませんでした。
 大ちゃんは、乱暴というより、いつもはオドオドしているような感じがしました。大ちゃんの呟きはなかなか聞き取れず、私との会話は、「一限目のお勉強は何だっけ」という問い掛けに対して、「おれ、カレーライス食ったわ」という具合にちぐはぐでした。何とか、大ちゃんの気持ちを知りたいともがいても、私たちは目すら合わすことがありませんでした。
 大ちゃんは、「本当に仲良くならんと目なんて合わせられん」とそのずっと後に言いました。それなのに、私は、「こっちをちゃんと向いて」と無理に、大ちゃんに頼んだこともあったように思います。
 けれど、大ちゃんは、たくさんの気持ちをその時から、表現したかったのだと思います。原稿用紙を用意すると、毎日、何十枚も何やら書いていました。でも、大ちゃん自身も、字は気持ちを伝えられるということを知らなかったのだと思うのですが、その字は読むにはとてもむずかしく、私は、やっぱり、大ちゃんの気持ちをつかめずにいました。
 そんなことが、一年近く続いて、それでも大ちゃんと私は、だんだん仲良しになってきました。目が合わなかったのが嘘のように大ちゃんは、いつも私を見ていてくれるようになりました。私は、大ちゃんがとても必要だったし、大ちゃんもきっとそうだと思います。乱暴だとか、怠け者だという噂は、気持ちを出しきれなかった大ちゃんの心の表現の一つだったのだと分かってきました。
 そんなころ、大ちゃんとワープロの勉強をしました。大ちゃんは、ワープロを使うことで、字は人に気持ちを伝えられるということを知ったのだと思います。それから、大ちゃんは、読める字を書くようになりました。
 そして、大ちゃんは、私のことを「山もっちゃん」と呼んでくれるようになりました。それは、大ちゃんが詩を作るようになったのと同じころでした。大ちゃんは、きっと私のことを同じ仲間と感じてくれたから、気持ちを出してくれるようになったのではないかと思うのです。怖かったり、一方的だったり、させられてると感じられたら、誰だって、自分の本当の気持ちは言えないですよね。
 そして、大ちゃんは、読むと涙が出てしまいそうな詩や、思わず手を合わせたくなるような観音さまをかくようになりました。
 大ちゃんはその詩で、たくさんの大切なことを私に教えてくれました。 僕が生まれたのには理由がある
 生まれるってことにはみんな理由があるんや 僕は僕やから大切にできる
 僕は僕やからがんばれる
 僕が僕やから好きになれる 大ちゃんは言います。人はいろいろだけど、みんな大切だから、生まれてきたんだ。
 例えば、重い障害を持っていたとしても、何かの理由で生きていくのが、つらいと思っている人がいたとしても、みんな大切で、必要だからこそ、生まれてきたんだということを大ちゃんは言いたいのだと思います。だからこそ、自分は自分でいいんだという勇気を大ちゃんは、私たちにくれているのじゃないかと思います。
 


<愛読者カードより>
心の中の大切なものがひとつひとつ戻ってくるような気がしました。いろんなことがいっぱいあって……大切なことを忘れてました。心のおそうじができたように思います。
また、一歩からやり直し、そんな気持ちがしています。
ありがとうございます。
(東京都 山崎さん)
大ちゃんの詩を読んでいると心があたたかくなります。大ちゃんの絵を見ていても、なんとなく手を合わせたくなります。大ちゃんの字を見ていても、ほっとします。
世の中全体、自然までも見る目が変わるようなきがします。
いろんな人に読んでもらいたいですね。
(茨城県 飯村さん)
山元先生の心の清らかさと、大ちゃんの素直で素敵な心が伝わってきて「心にしみる」本です。
買ってよかった。
この本に出会えてよかった。
(石川県 金田さん)
心がふわふわしたり、涙があふれて来たり、自分の気持ちが不安定になったとき、ゆっくりと読んでいます。
(東京都 板橋さん)
遠い道でもな、大丈夫や……という詩が一番好きです。思いどおりにものごとがはかどらなくてイライラするときにも、……一歩ずつ行くのもいいかもしれない。いろんな人に出会えるし、いろんな人に助けてもらえるし、いろんなことに気づけるし……勇気が出て、また歩き出せます。
(三重県 栗田さん)
この本が出るのを知り、とても嬉しく思い、買って帰ると一気に読みました。とても一言では言い尽くせない感情がいくつも湧き上がってきました。
大助くんの背中には白い羽がついているんじゃないかと思います。
(石川県 篠田さん)


気持ちのつながり
<加賀市在住・真宗大谷派僧侶/和田浩さん>

僕は、大ちゃんの詩を読んだり思い出したりすると、いつも大ちゃんと会っているような気持ちになるのです。畑で土を耕しながら蛙の声を聞くと、
「あはははは、おたまじゃくしのやつ うんちくっつけてあるいてるで」
の詩が浮かんできたり、初雪の朝は、
「雪は一番上から 一番下におりるまで ふわふわじかんがかかるので……」
を口ずさんだり、戦争のニュースを見ていると、
「えらい人に みんなどうして戦争やるんや?ってきいたるわ。みんなきくの忘れとるみたいやから」
の声が聞こえてきて、いつも大ちゃんがそばにいるように感ずるのです。
 今では、大ちゃんの詩によって、獏とした僕の心に
「花や月や海や雲や雪や風や愛する人を、じっと立ち止まって見つめてこなかったのではないのですか? いっぱいの悲しみはけっして忘れることができないのに、どうして時の流れの中に、悲しみも痛みまでも忘れ去ってしまうのですか? 自分の頭だけで考えたり、解ったりすることよりも、あらゆるものと気持ちがつながっていくことが大切なのではないですか?」
という大ちゃんのつぶやきがしみ込んでくるのです。
    (『さびしいときは心のかぜです』山元加津子/原田大助著より)

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よくぞ会えたね!
<「紅茶の時間」主宰 エッセイスト/水野スウさん>

 人は誰でも、自分の出会いたい人と出会いたいのだろう、と思います。だから大ちゃんの詩を読んだ時、よくぞ会えたね!って心から嬉しくならずにいられませんでした。大ちゃんの気持ちと、山もっちゃんの気持ちが、ほんとによくぞ出会って、互いに行き来して響き合って、大ちゃんの詩がみんなで分け合えるものになり、おかげで私も大ちゃんの詩に会えたこと、大ちゃんにはもちろんだけど、山もっちゃんにもいっぱいいっぱい、ありがとうを花束で贈りたいです。
 そしてね、もう一つ。20年前でなく、10年前でなく、いまの私が、大ちゃんと大ちゃんの詩に会えたことがなおうれしいのです。なぜってその時よりも、いまの私の心の中にはずっとたくさんの、大好きな人たちが住んでくれているので、その分、“好き”って思う気持ちがどれほど大切で、やさしい力を生み出すものか、前よりもっとよくわかるような気がするからです。あのね、必然の出会い、って言葉があります。大ちゃんと山もっちゃんが会うべくして会ったように、私も会うべき時に大ちゃんの詩にようやく出会えたようにも思うのです。
 私は時々、大ちゃんには内緒だけど(でも怒らないよね、きっと)、詩の中の「僕」を「私」におきかえて声に出してつぶやいて、もう一度胸の中に入れてみたりします。学校でいつか見せてもらった「星の王子さま」の「大事なものは何だろう」の劇、あそこで大ちゃんが言った台詞、
「大事なものは君を好きだという気持ちだよ』
は、何度思い出しても、本で読んでも、その度に新しい勇気をもらいます。本当に、好きってすごいことだね。心を開くこと、信じ合えること、そこから育つとても大切な何かを、大ちゃんと山もっちゃんからあらためて教えられます。大ちゃんと会ったことのない私の娘も、本を読んで、心がとってもあったかくなったって。山もっちゃんも大ちゃんもお互いからいろんなことまなんでるんだろうな、って。そして、先生と生徒っていうくぎりじゃなくて、友だちって感じで、そういう関係だからこそ学べるんだって思ったよ、って言っています。
    (『さびしいときは心のかぜです』山元加津子/原田大助著より)

ほんとうに大事なものってなんだろう
<石川テレビ放送 ディレクター/赤井朱美さん>

 去年の11月のある日、私のもとに友人から一冊の手作りの詩集が届けられました。ページをめくり、ひとつ、ひとつの言葉を追っていくうちに、まだ見ぬ原田大助くんの世界に引き込まれていきました。言葉が行きている、人が生きることとは何かを問うている、そんな大助くんの詩がゴムまりのように弾んで、私の心に飛び込んできたのです。

 「きれいな 花見て 月も見て ゆっくりしてるのが 一番です」
 の詩は、時間に追われて生きる私の生活を、もうちょっとゆっくり生きられへんのかー、と言っているようです。

 44年間行きてきても、つまらないことで悩んだり、余裕や自信を失ったりして本質を見失いそうな私の脆弱な生き方を、やさしく批判してくれているようでもあり、また励ましてくれているようでもあるのです。

 そんな大助くんに会うことが出来たのは、12月に入ってからでした。学習発表会の日、私は大助くんの通う錦城養護学校を訪れました。大助くんたちの中学部の出し物は、「星の王子さま」です。大助くんは飛行士の役です。その劇中、「ほんとうに大事なものってなんだろう」と何回も生徒たちは歌うのです。歌いながら投げかけるその言葉は、障害を持っている人たちを選別し、差別し続ける日本の社会を鋭く批判しているようでした。その数日後、私は、大助くんの一日を取材させてもらうことになりました。取材となると、朝からカメラを持って、大助くんが家を出るところから追いかけるわけです。大助くんは、緊張しながらもカメラの視線に耐えてくれました。そして、迎えた山元先生との創作の時間。カメラがある非日常では、創作の気分がのるはずもなく、仏像を描いても、ふくれっつらの表情になるばかり、ようやくつぶやいた言葉は、
「朝のあられはどうなった。空には空のつごうがある」

 朝、大助くんが学校へ来る途中、あられがぱらついていたのです。うるさいカメラがつきまとっている時でも大助くんは、しっかり空の表情を気にとめていたのです。それだけでつぶやいておわってしまったこの日の創作の時間。山元先生は、けっして無理に創作させようとはしませんでした。

 その後、山元先生「大助くんとの関わりで、一番大事にしていることは?」とマイクを向けました。山元先生は「先生と生徒という関係ではなくて、人間と人間との向き合いを大切に思っています。私のことを先生ではなく、山もっちゃんと呼ぶようになってから自由に表現するようになったのだと思います」と応えてくれました。大助くんは、山もっちゃんを心から信頼するからこそ、日常生活の中で感じる様々なことを、言葉にして山もっちゃんにつぶやくのです。山もっちゃんに自分の感じる世界を知ってほしいとつぶやくのです。そこには対等に向き合う人間だけが築き上げる世界があります。

 大助くんの感受性の鋭さ、表現力の豊かさは言うまでもありません。しかし、私たちが忘れてはならないのは、平等で自由な関係が大助くんの才能を花開かせているということです。私たちが力を尽くさねばならないこと、それは大助くんたちの小さなつぶやきにも耳をそばだて、共に社会の実現をめざしていくということです。
大助くんの詩に触れる度に、「星の王子さま」の劇の中で子供たちが歌っていた「ほんとうに大事なものってなんだろう」という言葉が心の中に響きわたります。
    (『さびしいときは心のかぜです』山元加津子/原田大助著より)

<愛読者カードより>
とにかく「ありがとう」って言いたくて、なんだか急いでハガキを書いています。私にも1歳の子どもがいます。大助さんみたいな心のやさしい人になってくれたらいいなと、二人で一緒に読んでいます。何度も何度も読んで、読んでいると、心がすっきりします。
(福井県 城地さん)
久しぶりにあったかい本に出会いました。いかに自分が毎日心にゆとりを持てずに自己中心的に生きてしまっているのか、人を大事に想うことがどんなに大切なことか、何か、とっても大切なことに気づかされたようです。
(静岡県 大迫さん)
素直に心に響きました。
忙しい毎日にかまけて、心に水分をあげてなかったのですが、この本のおかげで心が心になれました。なれたのではなく、戻れました。
(東京都 荒谷さん)
すごくシンプルで、心に忘れていたことを思い出させてくれる。健常者とか偉そうに言ってるけど、私たちの方が心の障害者かもしれない。
もっと素直に感じたいよね。人がもっと大助君みたいに優しい心になれたら、きっと素敵なのにと思った
(東京都 柵木さん)
本当に純な気持ち、ずっと昔に置き忘れて来た気持ちが戻ってきました。高校生の頃に戻った私です。
大助君のおもいがいっぱい詩になりますように!
(新潟県 神山さん)
心の奥に入ってくる感じがして、読んで、とても心地よかったし、元気づけられました。ありがとうございました。
(神奈川県 池崎さん)
清らかな大ちゃんの心の風が私の心をさやさやと、そよそよと温かく、やさしく、力強く、なでていくようです。そして、私の心も大ちゃんの心に近くなる。ありがとうございます。この本は私の大切な大切な宝物です。
(千葉県 高野さん)
よかった、
ただただ、よかった。
何度も読み返して
何度も味わいたい。
(京都府 福田さん)

〈第二弾〉も好評発売中!!

原田大助/山元加津子著

僕の上の星☆君の上の星

定価2243円〈本体2136円+税〉
共感を呼んだ『さびしいときは心のかぜです』に続いて、大ちゃん、山元先生コンビが放つ感動の詩画集第二弾! 大ちゃんのおおらかな、素直な、底深い詩情が冴え渡る。

共著者・山元先生の本!

山元加津子著

違うってことは
  もっと仲良くなれること

定価1680円〈本体1600円+税〉
たとえ国が違っても、どんな個性や障害を持っていても、分かりあえれば、もっと仲良くなれる! 養護学校教師として、個性あふれる子どもたちと共に学びあ合い、大きなやさしさに包まれる日々を綴る。
原田大助
大阪府立寝屋川養護学校をへて、1998年3月、 石川県立錦城養護学校高等部卒業。現在授産所に通所。
中学部の時、山元加津子教諭と出会い、二人で詩や絵の創作活動を始める。
山元加津子
富山大学理学部卒。石川県立錦城養護学校教諭を経て、1996年4月より石川県立小松瀬領養護学校教諭。
子供たちの作品紹介、講演などを通して、子供たちが社会により理解されるよう願いつつ活動中。
*2006年5月、クレヨンハウスより『ぼくのきもち』が発売されました。
とてもかわいい絵本です。ぜひ、見て下さいね。
 なお、この本の中に出てくる詩や絵は、樹心社の『さびしいときは心のかぜです』、『僕の上の星☆君の上の星』に収められています。

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