創造の森の仲間たち/木村 仁

ビニールハウスから始まった家族ぐるみの幼稚園。大自然の中でパワー全開の子どもたちと触れ合いながら、「人間とは何か」を探求しつつ、理想の教育を模索してきた園長(著者)と、その理想に共感し、共に歩む父母やスタッフたち。
信頼し合える喜びを体験しつつ、日々を創造するトモエ発の“共育”の書!
◆日本図書館協会選定図書◆
(四六判上製/本体¥1800+税)

【序文(黒柳 朝)より】
 私が幼稚園にお邪魔した時、入口を入ると、木村先生の首には一人の子どもが巻きつき、腰にはもう一人の子どもがお猿さんの子どもみたいに巻きついていました。周りには、お母さんたちがたくさんいて、赤ちゃんや園児の弟妹たちも来ています。家中で来ているわけです。お母さんたちが赤ちゃんのオムツを取り換えている風景もあっちこっちで見られます。
 ガラスを踏んだらどうしよう、釘をさしたらどうしよう、という私の心配をよそに、外でハダシで遊んでる子どもたち。裏の小川に入ってザリガニやカエルなど捕っている子どももいます。園長先生を始め、スタッフの先生たちは、そんな子どもたちにどこかで目を光らせていて、どこにでもすぐ飛んで行けるようにタイセイが組まれているんです。

【ご挨拶 (永遠に純真な子供の心と創造性を失いたくない 木村仁)】
 トモエの歩みは、多くの人たちと共に創造して来たものです。ですから、トモエはみんなのものであり「みんなの宝物」、そして「みんなの良心」なのです。トモエの人間教育は、一人一人が少しでも素敵な人に成長しつつ、素敵な人生を歩み、終えるために実践してきました。
 トモエは、一人の人が共に恵まれた人との関わりがもてるように、日々創造してきました。一人の人が自分自身の人格を意識して尊厳を持ち、夢を持って期待し生きてきたことで、創造の世界が広がってきたのです。私たちは、人間として素直で純真な子供の心に励まされ、共に歩んできました。
 今までの歩みの一部分をこの本で表現しましたが、これからも素敵な人との関わりの持てる創造的な世界を共に創っていきたいと思います。
 北海道だけでなく日本、そして世界に「人間の持つ可能性の素晴らしさを実証できる“人間の探究”」というトモエの実践を発信し続けます。
 お母さんたちの自発的・主体的で新鮮なパワーが現されるところに、子供たちだけでなく未来の世界に夢が広がっていくのです。これからも、お母さんたちがパワフルなエネルギーを爆発させて新鮮な世界を創造できるような花火をあげる仕掛人に私はなります。

【親子で楽しむ幼稚園(教育家庭新聞2001.5.12)】
 北海道・札幌に、子どもたちがのびのびと自然の中で暮らす幼稚園がある。「トモエ幼稚園」は、設立当初ビニールハウスで始まった。大きなビニールハウス2つの片方は畳を敷いた「たたみハウス」、もう1つは何も敷いていない「体育ハウス」となった。
 トモエの由来は「窓際のトットちゃん」に出てくるトモエ学園のような、子どもの感性を尊重する教育が全世界に広がって欲しいと名づけられた。園長の木村氏は、プロテスタントの牧師となり、北海道の士幌町で教会付属幼稚園の園長に就任して以来幼児教育に携わっている。厳しく指導された子どもたちの姿に疑問を持ち、悩みながら「教育とは何か」を追求し、「家族を援助する幼児教育」を実践してきた。
 親は「子どもを産んで親となり、子を育てる事で、子によって親らしく育てられていく」が持論だ。親自身が豊かな感性を持ち、毎日の生活を生き生きと暮らすことが、子どもたちを育てる事につながっていく。
 大自然の中で親子が楽しく遊ぶ幼稚園。画一化された幼児教育の弊害が問題視される中、こんなステキな幼稚園が全国に増えていくことを願う。

【豊かな感性が育つ育児とは(『向上』2001年7月号)】
「札幌トモエ幼稚園のトモエは、黒柳徹子さんの著書『窓際のトットちゃん』に出てくるトモエ学園からいただきました。トモエ学園は、自然がなくなり、子供の世界がなくなった今こそ必要だと思い、あえて“トモエ”と名付けたのです。この、子供らしい子供の世界を創造し続けなければ、未来の子供たちが危ないと思い実践しています」
 本書は1986年にビニールハウスから始まったトモエ幼稚園創立前後の、園長・木村仁さんによるレポートである。
 トモエ幼稚園の特色は、何といっても“親と子とスタッフが共に育ち合う”という教育理念の実践にある。
 著者の生き方に共感し、共に歩む園児の父母は、園児たちと共に幼稚園で遊び、スタッフたちと共に幼稚園の行事を成功させようと尽力する。
 そしてトモエを応援している黒柳朝さんや、東京女子大学名教授の白井常さん、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんなどの織りなす話の数々にも、心温められる。
 豊かな感性が育つ育児とはどういうものか、ということについて深く考えさせられる著書である。

【読者感想文より その1】
「創造の森の仲間たち」を読みました。
読んでいて、とてもショックを受けました。胸が苦しくなりました。もちろんいい意味で!

私は、長い間、幼稚園、保育園のスタッフをしています。
私自身の子供も、今勤めている保育園に、生まれて間もない頃から預けて働いています。
その保育園は駅型の保育園で、園庭はありません。天気がいい日は、近くの公園に出かけます。
この環境の違い……。
スタッフ、その他の環境も質的に厳しい現実。
いますごく、北海道に飛んでいきたい。そして、思いのたけを誰かに聞いてほしい。
とにかく感動しました。北海道に行くことがあれば寄らせて下さい。
本当は、この感動を、私も子供たちに分けてあげたいです。

strong>【読者感想文より その2】
私は、5歳の子供がいる母親です。
『創造の森の仲間たち』という本を図書館で借りてきました。
本を読みながら笑い、そしてニヤニヤしながら楽しく時間を過ごした気分がずっと続きます。
それは私が子供の頃、まだ家があまりなく野原の一軒家みたいなところで過ごしたからです。まだ車もあまり走っていなくて土地はもうジャングル。まさにトモエ幼稚園そのものでした。子供はぽつんぽつんと離れて建っているところからどやどやと集まってきて大きなおにいちゃんたちに囲まれて育ちました。その遊びには親の姿を見ることはありませんでした。
野放し状態です。ちょっとした起状のある土地にはみんなで通るところが決まっているので獣道のようなものが自然に出来て、そして空き箱があればすばらしい滑り台にもなりました。木の上に上って眺めがよかったのを思い出します。私にとって今35歳ですが、いまだに忘れられない最高の時間でした。
今はもう隙間がないほど家が建ち、車は通り、各家にも車があります。あの夢のようなすばらしい大地で過ごせた思いで私の思い出というよりも土台になっている感じがしてなりません。今でも大自然に憧れ近くの山へ週末は登りにいってます。とても落ち着きます。
今の子供はほんとうにかわいそうでなりません。
近所に子供がいますが、家から出してもらえないのです。カーテン越しに私と子供が遊んでいるのを眺めているのです。
せっかく同じ歳の子供がいるのに……。どうして出てこないのかしら……。私の子供はとても人懐っこくて一人でどこへでも遊びに行ってしまいます。歓迎してくれる家もあれば怒られて帰ってくるときもあります。同じ時代の子供を育てているのにこんなにも自由がなくて私は日々と惑っています。
子供は遊びたいのです。でも親は遊ばせたくないのです。本当にこの先心配になります。

私は、たまたま子育ての講習を受けたときに、本音で話せる仲間が出来ましたが、ほとんどのお母さんは仲良くするための体裁のいい自分を作っているような気がします。だから本音で話せないのです。仲良くしたいのです。みんなと。でもどうして家から出てこないのでしょう。不思議です。ご近所は話はします。でもそれだけで……

それでも、山へ行けば忘れます。海へ行けば何でもなくなります。いつかトモエに行って私が遊びたいぐらいです。そういう一般公開はしないんですか? 夏休みや冬休み、春休みなど、ぜひ行ってみたいです。子供にも絶対行かせたいです。北海道に住みたいです。

どうぞスタッフの皆さん、これからも健康第一でがんばってください。遠くで夢見ながら応援します。木村さんに体当たりしたいです!!

【著者紹介 木村 仁(きむら ひとし)】
東京都豊島区出身。キリスト教会牧師を30代の10年間経験。
牧師を辞任して、豊かな感性が育つ環境研究と実践をしつつ、若い家族の援助と人生相談に取り組み現在に至る。
現在、学校法人「創造の森学園」理事長、「札幌トモエ幼稚園」園長。
・人間科学の遅れの危機を世界に訴え中
・健康医学的教員養成期間の創設をアピール。

学校法人創造の森学園・札幌トモエ幼稚園
住所:札幌市南区北の沢1963番地
電話:011-572-3920
Mail : tomoe@sapporo.email.ne.jp
Homepage : http://www.ne.jp/asahi/tomoe/forest/

著書:『創造の森の仲間たち』『お母さんが輝く子育てのすすめ』(樹心社)他

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