念仏のうた難度海/榎本栄一

細々と営んで来た小間物屋をスーパー出現で失いながらも、なお飄々と念仏を生きる老詩人の魂のつぶやき。泥中に咲き出た蓮華のようなわが国稀有の念仏詩集。
(四六判上製函入/本体¥2200+税)

【〈著者略歴〉榎本 栄一(えのもと えいいち)】
明治36年10月、淡路島三原郡阿万村に生まれる。5歳の時、大阪に出て西区新町で父母が小間物化粧品店を始める。15歳、高等小学校卒業、父死亡。以後、病弱なりしが19歳の頃から母と家業に精を出す。
このころ生田春月の『詩と人生』へ投稿を始めたが、まもなく廃刊。
昭和20年3月の大阪大空襲でまる焼け無一物、家族7人淡路島へ逃れる。
終戦後、大阪ミナミの焼野原に、いちはやく知人Wさんの仮店舗が復興し、単身住込み自炊生活3年、化粧品部担当。
昭和25年2月、東大阪市(当時布施市)高井田市場で化粧品店開業。昭和54年12月末、閉店廃業(76歳)。
平成6年度「仏教伝道文化賞」を受賞する。
平成10年10月12日、94歳で往生。

既刊詩集:『難度海』『光明土』『常照我』『無辺光』『尽十方』『無上仏』(樹心社)。『群生海』『煩悩林』(東本願寺難波別院)。詩文集『いのち萌えいずるままに』(伯樹社)

榎本栄一さんは、平成10年10月12日、午後9時53分、逝去されました。行年94歳でした。(ご法名・念詩院栄法)
仏教伝道文化賞を受けられた直後に倒れられ、寝たきりになられましたが、見舞いにうかがった私に、「私の子供の頃は、“早く来い来いお正月”とお正月が来るのを何とも楽しみにしていたもんやが、今の私はそんな心持ちで“死”を待っていますのや」とおっしゃいました。
おそらく榎本さんはそのお言葉通り喜々として旅立っていかれたことと思います。まさしく“死ねばそこがお浄土である”という確信があったればこそと、うらやましいかぎりです。私たちは淋しいことですが、この残された詩集を通して、いつも榎本さんのお声が、お念仏が聞こえることを幸せに思います。榎本さん、本当にありがとうございました。                     
(樹心社・亀岡)

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