(『ダ・ヴィンチ1999年6月号』スタジオインタビュー・常磐貴子より

『さびしいときは心のかぜです』山元加津子/原田大助著
(『ダ・ヴィンチ1999年6月号』スタジオインタビュー・常磐貴子より)

「すごくほんわかできる本なんです。これを読めばみんな優しい気持ちになれる。ピンクのハートになれると思う。この本との出会いは忘れちゃったんだけど、気付いたら、私の一番大切な1冊になっていたんです」
 養護学校中学部に通っていた大ちゃんこと原田大助君のつぶやきを、山もっちゃんこと山元先生が手伝いながらまとめた1冊。可愛い挿し絵も大ちゃんが描いたもので、表題は、大ちゃんの言葉のワンフレーズだ。

 さびしいときは 心のかぜです
 せきして はなかんで やさしくして
 ねてたら 一日でなおる

「昔好きだった絵本を読み返すと、あたたかさがストレートに伝わってくるじゃないですか。大ちゃんのひと言もそうなの。すっごく淋しくなっちゃった夜でも、『よし、あったかくして早く寝ちゃお!』って思える。山もっちゃんに向けた言葉が、自分に向けられているような気がするんですよ。『笑ってごらん』と言われると、とりあえず笑ってみようって。そんなふうに言ってくれる人がいるだけで、安心する」
 大ちゃんの言葉は素朴だけど、力強い。雪の白さ、空の青さ、戦争の悲しさ・・・・忘れていたことを思い出させてくれる。けれど、心ない人は思うかもしれない。「養護学校の子供が書いたものだからピュアに違いない」と。
「私は、そんな意識全然なかった。私は大ちゃんの心が好きなの。スピリットが大好きなの。だから同じように養護学校の子が書いたものでも大嫌いになる本はあると思う」
 多感な頃に関西で育った。常盤さんはその環境が大きいという。
 「学校で障害のある人と接する機会がすごく多かったんですよ。クラスメイトの一員として遊んでた。だから、障害も個性の一つだって思えるんですよね。大ちゃんは本の中で『生まれるってことにはみんな理由があるんや』って言ってるんだけど、私も絶対そうだと思うの。みんなある種天才な部分を持っている。それは私も養護学校の人も同じ。日本の教育って型にハメがちでしょ? 人と違う絵を描いたら、『この子は精神的にヤバイ』って言われちゃう。『いいやん、その時の気分で』って私は思う」

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